入院日数は何日保障されればいいいのか
もし病気になって入院するようなことがあれば、一体どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
また、公的医療保険でほとんどまかなえるといっても実際は自己負担分はどのくらいかかるのでしょうか。
これを解き明かすことによって、入院日額がどのくらい必要なのかその根拠がわかります。
一般的に病気で入院したらどのくらいの日数入院することになるのでしょうか。
短期間の入院が多いのが現状ですが、平成26年9月中の在院平均入院日数は30.9日となっています。約31日間です。
例えば、31日間の入院で医療費が200万円かかったとしたら、公的医療保険制度のお陰で一般は3割負担なので、自己負担額は60万円です。
例えば、45歳男性(給与所得で月収53~79万円に該当する)場合ですと、
・入院月(20日間)・・・1.200.000円×3割=360.000円
・翌月(11日間)・・・800.000円×3割=240.000円
医療費自己負担額360.000円+240.000円=600.000円です。
しかし、高額療養費扱いとなるため、
・入院月 167.400円+(1.200.000円ー558.000円)×1%=173.820円
・翌月 167.400円+(800.000円ー558.000円)×1%=169.820円
自己負担額は、173.820円+169.820円=343.640円となります。
つまり、600.000円ー343.640円=256.360円の高額療養費が支給されるため、
実際の自己負担額は、343.640円となります。
自己負担額の343.640円は治療費のみの費用になりますので、他に自己負担分となる入院時の食事代とその他雑費が必要です。
入院時の食事代は1食260円ですので、3食で780円。
この例では、31日間の入院になりますので、31日×780円=24.180円
それから、入院時に空きベッドがなければ、大部屋(6人以上の部屋)ではなく、4人部屋とかになるかもしれません。
そうすると、差額ベッド代が発生します。
4人部屋の差額ベッド代は1日約3.000円です。
ですので、差額ベッド代として31日×2.346円=72.726円
雑費に関しては、衣類や洗面用具、スリッパなどの日用品や家族の交通費や食事代などがありますが、30.000円もあればいいでしょう。
お見舞いに来てくれた方に快気祝いを贈る場合はもっと費用がかかります。
つまり、実際にかかる自己負担額は
治療費として、343.640円
食事代として、14.040円
差額ベッド代として、72.726円
雑費として、30.000円
合計額は、460.406円 となります。
これだけの費用を医療保険でまかなうことができるかどうかを検証してみましょう。
入院日額10.000円の一般的な医療保険で給付される金額は
31日×10.000円=310.000円
手術給付金 100.000円(保険会社によって異なります)
合計410.000円が医療保険から支払われます。
ですが、日額10.000円の給付金が支払われたとしても、50.406円マイナスになってしまいます。
日額5.000円だとどうでしょう。
31日×5.000円=155.000円
手術給付金 100.000円(保険会社によって異なります)
合計255.000円が医療保険から支払われます。
日額5.000円だとまったく医療保険ではまかなえないことがわかります。
差額ベッド代がなければ、実質的な自己負担は少なくなりますので、大部屋であれば、日額10.000円であればなんとかまかなえることが証明できました。
検証結果からすると、この例の場合だと日額10.000円が必要であることがわかりましたが、高額療養費の自己負担額は所得区分によって大きく異なってくるため、ご自身の自己負担限度額がどの区分に該当するかを確認することを忘れないようにしてください。
また、医療保険で見落とされがちなのが、入院中は働けないということです。
その間に収入が途絶えてしまうような仕事をお持ちの方は、休業補償分を上乗せする保障が必要になってきます。
なので、実際には日額10.000円以上が必要なる場合もあるのです。
これであなたに必要な日額の根拠がおわかりいただけたでしょうか。