入院日数60日型と120日型のどちらがいいのか?
1回の入院で何日給付されるかの限度を定めた日数のことです。
厚生労働省の平成11年~平成23年病院報告(一般病床等における平均在院日数)によりますと、平成11年の平均入院日数は27.2日だったのが、平成23年には、17.9日となり9.3日も短期化されました。
では、60日型と120型のどちらを選択すればいいのでしょうか。
入院が短期されていることで、現在は1入院限度日数も60型が主流となっています。それに60日型と120型を比べると、保険料も60日型の方が安くなっています。保険料が安いことを理由にで60日型を選んでいる方も多くいらっしゃいます。
実際のところ入院したら、平均何日くらい入院するのでしょうか?
厚生労働省の患者調査(平成26年)のデータを見ますと、平均在院日数は、31.9日となっています。平成11年の平均在院日数は39.3日でした。8日も短期化されていることがわかります。
*出典:退院患者の平均在院日数 厚生労働省患者調査(平成26年9月1日~30日)より
では、平均在院日数60日を超える病気にはどんなものがあるのでしょうか。
平均在院日数60日を超える病気は、、精神及び行動の障害(291.9日)、脳血管疾患(89.5日)、神経系の疾患(82.2日)となっています。
裏を返せば、これ以外の病気であれば、60日以内の入院ですので、60日型で十分カバーできるということですね。
*出典:退院患者の平均在院日数 厚生労働省患者調査(平成26年9月1日~30日)より
日本人の死因のトップ3は、1位がん、2位心疾患 3位肺炎となっていますが、2011年までの死因3位は脳血管疾患となっていました。
3位肺炎となったのは、高齢化が進んだからだという理由からですが、もうひとつ重大な理由があります。それは医療の高度化により脳血管疾患で倒れた場合、救命措置がなされて亡くならずに助かるケースが増えたということです。
その証拠に脳血管疾患の平均在院日数が89.5日だということです。
脳血管疾患の場合は後遺障害が残ることがほとんどなので、その治療に要する期間が長くかかるためどうしても入院日数が長期間になるのです。
一方死亡原因の第1位となっている悪性新生物(がん)の平均在院日数は、19.9日となっており、平成8年の47.1日と比較すると、なんと27.7日も短期化されていることがわかります。
さらに最近のがん治療では、放射線治療や抗がん剤投与などはそのほとんどが通院で行うようになってきました。
保険会社によっては、7大成人病で入院したら120日までカバーするという保障内容もあるようですが、脳血管疾患以外の成人病では60日を超える入院はありませんので、そんなに大きなメリットがあるようには思えませんね。
保険料がそう変わらないのであれば、付加されてもいいのでしょうが、保険料を少しでも安くしたいのであれば、60日型を選んだとしても十分だといえそうです。
最後に注意点ですが、1入院60日限度の日数の数え方は、ひとつの病気で入院した場合の限度日数が60日となり、退院後また同じ病気で再入院となった場合、180日経過後から新たに60日となります。
つまり、退院後180日たってからでないと同じ病気で入院した場合は、給付金がでないということです。別の病気だった場合は180日経過後のしばりはありませんので、別の病気で入院された日から60日を限度に給付金が支払われます。
通計限度日数は、各保険会社によって異なります。
通計が1095日限度とか700日限度とか、いろいろですのでパンフレットか契約概要でご確認ください。通計限度と使いきったら給付金は支払われませんのでご注意ください。